2021年(令和3年)年頭所感

経済産業省年頭所感 | 副会長年頭所感

 

コロナ禍を乗り越え、山積する課題に対応

一般社団法人 日本鋳造協会
会長 藤原 愼二

明けましておめでとうございます。

会員並びに関係各位の皆様方には 2021年の新春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、協会の運営に当たり、皆様方には格別なご理解とご協力を戴いておりますことに御礼を申し上げます。

昨年は、中国武漢で発生した新型コロナウイルスが世界に拡散しパンデミックとなり、12月までに世界では6千万人を超える感染者と150万人近い死亡者が出ています。

日本でも1月以降順次感染拡大し、政府は2月末のイベント中止・延期要請、3月の改正インフルエンザ特措法施行、4月7日には安倍首相が緊急事態宣言し不要不急の外出自粛が要請されました。マスクや消毒器材が市場から消え、諸団体の総会も書面決議に移行し、Web会議が急速に普及、飛行機や新幹線もほとんど乗客がいなくなるなど国民生活の様相が激変し、観光・飲食業なども壊滅的な影響を受け、五輪も延期が決定。諸外国との行き来も実質消滅。
政府は企業の存続支援のため急遽31兆円の補正予算を組み、持続化給付金の支給や雇用調整助成金の特例措置、資金繰り支援などを講じています。
その後、次第にウイルスの正体や治療法の調査検討が進み、一旦は落ち着いてきたものの昨年末には再び感染拡大し医療ひっ迫事態になってきました。ワクチン開発先行した欧米では昨年末からは接種も始まり、今年は我が国でも承認と接種による感染抑止が期待され、今後は緩やかに通常の生活に回復してゆくものと思われます。

この影響で、昨年の鋳造業の生産は5月頃にはほぼ半減したものの順次復調し通年では、銑鉄鋳物:▲18.1%、鋳鋼:▲15.8%、銅合金鋳物:▲18.2%、アルミニウム鋳物:▲22.7%の減少となる見込みです。
自動車の需要は当初大きく減少したものの、その後は復調してきましたが、造船・工作機械などは世界需要激変の中でしばらく影響が継続すると見込まれます。

昨年の当協会活動は、当初年度計画の諸事業はコロナの影響で総会・講演会・各部会活動・鋳造カレッジ事業などが中止・書面決議・Web開催・在宅勤務へ移行するなど大きな影響を受けました。
この中で、協会としてコロナ感染症影響調査の緊急アンケートを2回行い政府への政策提言に役立てることができました。
下請取引や金型取引の改善では経済産業省による産業界への強力な指導とフォローアップ調査が行われており、当協会でも調査には会員多数の協力をいただき感謝申し上げます。調査結果によると、昨年は部分的ではあるものの不使用型の返却・廃却が進み始め、型保管費用の顧客負担も交渉の俎上にあがり始めるなど着実に成果が出始めていることが伺われますが、進まない項目も多く今後さらに取引改善努力が必要です。

一方、政治に目を向けると昨年は米国大統領選挙で政権交代が起き、日本では安倍首相の持病再発による突然の退任で菅新政権が誕生。自由や人権をめぐる国家間の対立が次第に顕在化し、我が国は欧米の自由主義体制にあるものの、経済的には中国との関係が大きく今後の対応は困難が予想されます。こうした状況の中で、アジア鋳造協会が一昨年秋に発足し動き始め、また日米欧のYPP(若手鋳造人会議)も協会事業として取り組み始めるなど世界の鋳造の連携も始まりました。

コロナ後は、それ以前とは異なるとも言われ、経済の穏やかな復調は見込まれるものの、世界の分裂、少子高齢化と後継者難や人手不足問題、働き方改革の影響に加えて、菅義偉首相の温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標宣言の影響でエネルギー多消費の当業界には難しい対応が求められます。また、コロナ禍対応の各国比較では日本のデジタル化の遅れが表面化しました。教育や官公庁や企業でもWeb授業・Web会議や在宅勤務が進み始めました。IoTを含めたデジタル化は生産性効率化や品質改善効果もあり、鋳造業も対応が必要です。

次々に押し寄せる難題に対し、日本鋳造協会は微力ではありますが、会員の皆様とともに正面から取り組んで参りたいと思いますので、今後とも、関係各位のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

皆様にとって2021年が幸多き年になりますようお祈りいたします。

<アサゴエ工業(株)会長、岡山県鋳造工業協同組合理事長>