ご挨拶

会長 浅井 武

このたび、第14回社員総会におきまして、会員の皆様のご推挙により第6代会長に選任いただきました。この重責を担うには経験も知見も十分でなく、身の引き締まる思いでございますが、会員各位のご協力を得て職責を全うして参る所存です。会長就任にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

日本鋳造協会は、2005年7月に鋳造3団体が合併し、鋳造の中核団体として設立されました。加藤喜久雄初代会長は、鋳造産業ビジョンを作成され、その後の協会運営の指針を示されました。中谷兼武第2代会長は、2008年9月のリーマン・ショックにより激減した需要による経営の危機に直面した鋳造業界のため、雇用調整助成金の要件緩和に尽力されました。木村博彦第3代会長は、2015年5月の第3回アジア鋳造フォーラム(AFF)東京開催をはじめ、アメリカ、ドイツ、中国、台湾等と深く交流し、日本の鋳造業の国際化に貢献されました。伊藤光男第4代会長は10年後を見据える第2期ビジョンとなる鋳造産業ビジョン2017の策定、取引改善ガイドラインの作成や金型取引改善協議会などに参画して下請取引の改善を進めるとともに、協会事業運営組織の再編も行い、アジア鋳造協会設立に貢献されました。藤原愼二第5代会長は2020年代初頭の新型コロナウィルスの大流行による経営危機回避策として、雇用調整助成金の要件緩和をはじめとする支援策に尽力するとともに、取引適正化にも積極的に取り組まれ、大きな進展につながりました。さらに、第16回世界精密鋳造会議神戸大会(WCIC2025)を成功裏に進め、協会として初めてとなる本格的な展示会(Foundry Tech+Expo 2026)の開催を企画されたことは記憶に新しいところです。

また、協会組織も、2009年7月には社団法人日本非鉄金属鋳物協会が、2014年5月には日本鋳造機械工業会が新たに加わり、文字通り鋳造産業を代表する組織となりました。これは歴代会長をはじめとする多くの皆様方のご尽力によるものであり、心から敬意を表するところであります。

テクノロジーの急速な進化や地政学リスク、環境問題等を引き金に、VUCAの時代と言われて久しくなりますが、それに加えて先の世界的なパンデミックや世界各地における紛争等、時代はますます先読みの難しさを深めています。一方、我が国経済は長いデフレからようやく抜け出す光明が見え始め、国の主導する戦略17分野を中心に、新たな成長を実現する好機を迎えています。世界に誇る我が国のものづくり産業を支えるサポーティングインダストリーとしての鋳造業界もこの機会を逃すことなく、産・官・学の連携を深めて新たな成長をしっかりと実現していかなければなりません。

協会では鋳造産業ビジョン2017の評価をし、来年中には新しい鋳造産業ビジョンの策定をすることとしています。2027年から今後10年間の鋳造業界の指針とすべく、次の時代を担う若手メンバーを中心に策定しようと考えています。変化の激しい時代ではございますが、これらの変化に臨機応変に対応し、鋳造業界及び会員企業の引き続きの発展の一助になるよう活動を推進してまいります。次代の鋳造業を担う人材育成にも引き続き積極的に取り組んでまいります。鋳造カレッジは20年目を迎え、鋳造入門講座、鋳造カレッジ上級コース等、引き続き公益社団法人日本鋳造工学会のご協力をいただきながら、さらに充実させていくこととしております。

役員、事務局ともども尽力して参る所存でございます。経済産業省を始め関係官庁、関係団体並びに会員の皆様のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

一般社団法人日本鋳造協会
会長 浅井 武