鋳造産業ビジョン

新鋳造産業ビジョン

鋳造産業ビジョン2017

日本鋳造協会は、2017年9月に開催した理事会協会役員会において「鋳造産業ビジョン2017(以下、新ビジョンという)」を策定しています。

新ビジョンは、「日本の鋳造産業を発展させ世界の需要に対応し、勝ち残っていくべく、真剣に攻めの経営で挑戦し、企業規模を問わず業界を牽引することを目指す企業」、これを中核リーダー企業と位置付け、中核リーダー企業への指針として策定しています。本ビジョンの下、中核リーダー企業を中心として鋳造業界全体が積極的に協業していくことで、日本の鋳造産業の発展を図っていくというものです。

新ビジョンの策定にあたり、我が国鋳造産業が、今後10~20年で直面する課題として、(1)環境・エネルギー制約、(2)新興国の台頭、(3)都市の過密化と地方の過疎化、(4)新しい価値観の台頭、(5)第四次産業革命を挙げて整理しています。加えて、自動車産業等の主要ユーザー産業の今後の動向、国内外の鋳造産業の動向なども調査しています。

新ビジョンは、鋳造産業が今後取り組むべき課題の10ヶ年計画(ロードマップ)として位置付けられるものであります。これからの10年は、社会環境の変化のスピードはさらに加速し、今まで以上に迅速かつ柔軟に対応する必要があります。特に、第四次産業革命によるIoTやAIの発展は、鋳造産業のみならずこれまでの製造業の在り方に変化を与えるものであります。この変化を見据えながら、どの様な対応をしていくのかが今後の鋳造業界の行く末を決める大きな要因となるとして、課題とあるべき姿を取りまとめています。あるべき姿を実現に導くための6の方向性も、2006年に策定した旧ビジョンの基本は踏襲するものの、時代に合わせ次のとおり見直しを行っています。

  1. 技術・技能で商品力を高め攻めの経営
  2. 経営基盤強化と健全な取引による事業発展(基盤強化と健全な取引による事業発展)
  3. 同業/異業/地域との新連携の構築(同業/異業/地域との積極的な連携による競争力の強化)
  4. 市場拡大のための海外展開(海外との連携)
  5. グローバル人材も含めた積極的な人材の確保・育成(息の長い人材の確保・育成)
  6. 安全・環境・エネルギー対策の強化(環境とエネルギー対策の強化)

注()内は、旧ビジョンの6の方向性 

この6の方向性に関するアクションプランについては、会員が具体的に何をすべきかを提言し、それに関し日本鋳造協会が何を支援するかが、わかりやすい並びとしました。

つきましては、この「鋳造産業ビジョン2017」を精読いただき、ご活用くださいますようお願い申し上げます。
内容につきましては、下記をご参照ください。

鋳造産業ビジョンの全体評価について

鋳造産業ビジョンは、2015(平成27)年度をもって10ヶ年計画を終了しました。鋳造産業ビジョン推進特別部会では、鋳造産業ビジョンを策定して10年間が経過し、鋳造産業を取り巻く環境もおかれた状況も大きく変化したがために、10ヶ年計画により実施してきた協会事業及び業界の取組みについての総括を行い、これからの10年の鋳造業及び鋳造協会の活動の指針となる、適切な次期鋳造産業ビジョンの策定とその活用に反映することを目的として、全体評価を取りまとめました。

つきましては、この全体評価を精読いただき、ご活用くださいますようお願い申し上げます。
内容につきましては、下記をご参照ください。

鋳造産業ビジョン2015

 鋳造産業ビジョン推進特別部会では、鋳造産業ビジョン第3期計画の第3年度であるアクションプラン2015について、事業内容毎に2013~2014年度の実施状況を整理し、その達成度の評価を行い、2015年度計画をまとめてアクションプラン2015を作成いたしました。

 本年度は、第3期計画の3年度目にあたるため、原則として課題・事業項目は継続して実施することとし、既に、協会事業として定着化した事業は継続し、未実施事業については、その継続についての見直しを行っています。つきましては、アクションプラン2015を精読いただき、ご活用くださいますようお願い申し上げます。

 内容につきましては、下記をご参照下さい。

鋳造産業ビジョン2013

 2013 年3 月、経済産業省により「新素形材産業ビジョン」が策定されました。その策定委員会での検討を追従する形で、日本鋳造協会内に「鋳造産業ビジョン推進特別部会」を発足させ、経済産業省の策定委員会の内容を確認しつつ、このたび「鋳造産業ビジョン第3 期計画(2013~2015年度)」を策定いたしました。

 つきましては、アクションプラン2013を精読いただき、ご活用くださいますようお願い申し上げます。

鋳造産業ビジョン2012

 鋳造産業ビジョン推進特別部会では、鋳造産業ビジョン第2期計画の第2年度であるアクションプラン2011について、事業内容毎に2011年度の実施状況を整理し・その達成度の評価を行い、2012年度計画をまとめてアクションプラン2012を作成いたしました。

 本年度は、第2期計画の3年度目にあたるため、原則として課題・事業項目は継続して実施することとし、既に、協会事業として定着化した事業は継続し、未実施事業については、その継続についての見直しを行っています。

 内容につきましては、下記をご参照下さい。

鋳造産業ビジョン2010

 鋳造産業ビジョンは10ヵ年計画として、2007~2009年度の3年間を第1期計画とし、毎年具体的に取り組むべき実施項目アクションプランの作成と見直しを行ってきました。

 鋳造産業ビジョン推進特別部会では、2010~2012年度の3年間の第2期計画を作成するために、2009年11月から本年2月までの4ヶ月間にわたり審議を行い、この間、第1期計画におけるアクションプランの実施状況についての総括ならびに現下の政治・経済状況を踏まえて、併せて6部会との意見調整も行った上、ビジョンの第2期計画を作成いたしました。

 経済産業省製造産業局素形材産業室は、平成18年5月に素形材産業ビジョンを策定しましたが、策定からの4年間で、新興国市場の立ち上がり、電気自動車への注目の高まり、世界的経済減速、地球温暖化問題対策など、素形材産業を取り巻く環境が大きく変化したことから、新たな課題が浮き彫りとなりました。

 そこで、「素形材産業ビジョン検討会」を開催し、議論を重ね、新たな課題に対する「目指すべき方向性」を示すために、素形材産業ビジョン追補版をとりまとめましたので、公表いたします。

鋳造産業ビジョン2006

 平成18年5月に経済産業省から「素形材産業ビジョン」が発表され、今後とも国際競争力を持つ日本のモノづくりを維持する為には、鋳造・鍛造・金属プレス・メッキ等のいわゆるサポーティング・インダストリーの充実が必要不可欠であるとして、これからの素形材産業のあり方、方向性が示されました。

 経済産業省が作成した素形材産業ビジョンには随所に「収益、利益、儲ける」という言葉が散見されます。例えば、素形材産業が目指すべき方向性の「1、技術技能を活かした攻めの経営」の中にも「ものづくりのための手段としての技能」から「企業に利益をもたらす源泉としての技能」への認識の転換が謳われており、「2、取引慣行」においても収益改善のためのコンプライアンスが要望されております。また、海外生産についても「4、海外で儲ける仕組み」との見出しが目を引きます。従来、国が施策として一つの産業の儲けや収益増を支援することはほとんど前例がなく、儲け、収益という言葉も使わないのが通例のことでありました。それにもかかわらず、今回このような言葉が多用されているのは、素形材産業が如何に厳しい状況にあるかを示す証左と言えます。

 本協会においても、素形材産業ビジョンの公表に呼応して「鋳造産業ビジョン特別部会」を設置し、協会運営組織の総務・経営・技術・国際・中小企業部会を中心に、各地で多くの会員が参加し「10年後の夢、あるべき姿」に到達するためのアクションプランを侃侃諤諤、口角泡を飛ばす議論をして作成した結果、まさしく手作りの「鋳造産業ビジョン2006」が完成いたしました。

 鋳造産業ビジョン作成に許された時間は極めて少ないものでありましたので、訂正・修正すべき箇所は数多くあり、今後も多くの会員による討議がなされるべきであると認識しております。しかし「目標なき前進」であった今までに比べ、本ビジョンによって目標、方向性が見え、協会が現在行っている活動、今後行わなければならない活動が整理されることになりました。また、自社が協会のどの事業活動に参加しているのかが把握され、さらにはビジョンを自社に当てはめることにより、自社内で今後取り組むべき事柄も見えてくるのではないかと思います。

 さて、ビジョンは「作成」することも重要ではありますが、「実行」に移さなければ文字通り「絵に描いた餅」となるわけであり、今後のフォローアップが必要であることは論を待ちません。目先の繁忙さに踊らされずに「10年後のあるべき姿」に明示されている収益を出し健全経営が出来る業界に向かって、アクションプランを着実に全員参加で実行に移して行かなければならないと考えております。

 つきましては、「鋳造産業ビジョン2006」を精読いただき、ご活用くださいますようお願い申し上げます。