鋳造ジャーナル2018年3月号
目次
- 市況トレンド 6
- 学協会の動向 8
- 会社往来 10
- 協会ニュース
平成29 年度若手経営者冬季全国大会 14 - 技術論文
塗型剤の基礎と応用 22 - お知らせ
平成30年度鋳造カレッジ上級コース 鋳鉄材料・砂型コース 募集要項 31 - 協会ニュース
第3回鋳造用3D-CAD操作技能研修会と今後の予定 32 - 海外技術ニュース
鋳鉄とアルミニウムを使った車両軽量構造 36 - トピックス
中小企業経営者の次世代経営者への引き継ぎを支援する税制措置の創設・拡充について 40 - 部会委員会報告
第1回(2巡目)精密鋳造経営委員会若手技術者交流会&工場見学会を開催 44 - 協会ニュース
2017年度 鋳造カレッジ 全国4地区で修了式を挙行 48 - お知らせ
第20 回鋳鉄品の超音波試験技術者養成講習会のご案内 50
2018 年度専門委員会 委員募集のご案内 52 - 編集後記/会員動向 56
カバーストーリー
発光金属(秋田大学鉱業博物館・秋田市)
2017年秋季大会が開催された秋田大学に付属する「鉱業博物館」は、同学の長年にわたる研究活動においてコレクションされた地質や鉱工業に関連した資料を展示・保管してあり、年末年始を除く常時開館している、貴重なかつ興味深い博物館である。
はじめは1910 年設立の秋田鉱山専門学校の“列品室”で、その後“鉱山博物館”と名を変え、1961年にこの建物が建設され「鉱業博物館」となり、所蔵品は20,000点を越えているとのこと。
常時公開は約3,300点の資料で、さまざまな色と形の鉱物、珍しい岩石や化石を見ることができる。人気の展示に「蛍光鉱物」コーナーがあるが、製鉄や鋳鋼品の溶湯処理でなじみの「蛍石」も展示されていた。
鉱物を熱したり、光や紫外線、放射線をあてたり、破砕などの力が加わると、結晶内の点欠陥や不純物原子などの活性中心の電子がそのエネルギーを吸収し、受けたエネルギーの一部または全部を瞬間的、または持続的に可視光として放出する。
瞬間的なものを蛍光(Fluorescence)、持続的なものを燐光(Phosphoresce)というそうだ。鉱物では、ミネラライトという紫外線(短波長254nm、長波長365nm)の発光装置を用いて、鉱物の蛍光を見ることがでる。活性中心は、点欠陥や不純物原子の種類や量で異なり、同一種類の鉱物でも産地や個体によって異なるが、色鮮やかな標本に足が止まる。
近い将来は「チバニアン」もここに展示されているだろうと想像し、館を後にした。
(新東工業・竹内純一)