鋳造ジャーナル2018年5月号

目次

  • 市況トレンド 6
  • 学協会の動向 8
  • 会社往来 10
  • 私の苦労話・失敗談 ㈱永瀬留十郎工場 永瀬 勇 14
  • 海外技術ニュース
    溶解の三角形 16
    2017年世界の精密鋳造市場の概観 22
    2017年精密鋳造市場状況と展望:北米 24
    2017年の欧州精密鋳造市場の概観 26
    中国の精密鋳造産業 28
    インドの精密鋳造産業 30
  • 協会ニュース
    東海支部が平成30 年度総会および講演会を開催 34
    北陸支部が平成30 年度総会および講演会を開催 36
    中国四国支部が総会・講演会を開催 38
    新人教育研修プログラム鋳造入門講座 39
  • 東西南北
    EICF-2018 Porto 第29回国際セミナーに参加・ 42
  • お知らせ
    平成30 年度春季非鉄会員情報交換会のご案内 51
    「平成30 年度精密鋳造技術研修会」のご案内 53
  • 協会ニュース
    2018 年3月分 銑鉄鋳物製造業の景況調査結果 54
  • 編集後記/会員動向 56

カバーストーリー

景雲鐘(西安碑林博物館・西安市)

西安碑林博物館を訪れた時に、まず目に入ったのが「景雲鐘」である。この釣り鐘の説明文によると、原名は景龍観鐘、唐の景雲2年(711年)に鋳造された青銅製の鐘である。中国の国家一級文物として指定され、「天下一の名鐘」と讃えられている。

鐘の高さ247㎝、胴の広さ486㎝、口の直径165㎝、重さ6t。銅と锡の合金で、5段階に分けて鋳造され、合計26 枚の鋳造板があり、鐘の胴体に当時の鋳造の跡が見られる。

鐘の口は六角弧形の形をしており、胴は音律を調整できる作りになっている。純粋かつ優雅、スッキリした音色が出る。さらに、胴体は三段からなり、18のブロックが見られる。それぞれのブロックに、鶴、獅子、龍、朱雀などが鋳込まれている。美術性の高い鐘となっている。

胴体の正面に駢文体の銘文があり、全部で292字である。もともと唐睿宗李旦が自ら書かれたもので、道教の教義、景龍観の成り行きと制作過程および、鐘に対する称揚を内容とする。李氏が世に残した数少ない筆跡であるため、書道研究者に重要視されているという。

(神戸理化学工業・古川 伸一郎 )

 

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(担当:玉村秀男)