鋳造ジャーナル2018年1月号
目次
- 年頭所感
日本鋳造協会 会長 伊藤光男 4
経済産業大臣 世耕弘成 5
経済産業省 製造産業局 局長 多田明弘 7
経済産業省 素形材産業室 室長 岡本繁樹 8
副会長(国際部会長)松永昭博、副会長(総務部会長)田中保昭 9
副会長(中小企業部会副部会長)谷口仁志 10
副会長(経営部会長)大亀右問、副会長(技術・環境部会長)濱田 薫 11
副会長(機材部会長)大久保正志 12
副会長(非鉄部会長)財部 剛 13 - 市況トレンド 16
- 学協会の動向 18
- 会社往来 20
- 会社紹介
岡崎鑛産物(株)(大阪市住之江区) 22 - 私の苦労話・失敗談
ナカシマプロペラ(株) 社長 中島基善 27 - 海外技術ニュース
無機中子生産に必要な最適材料特性および工程条件 独ASKケミカルズ 28 - 協会ニュース
平成29 年度省エネセミナー及び省エネ展示会 34 - 秋季大会講演
チャレンジ精神で挑む~家電炊飯器内窯の製品化への取り組み~(株)水沢鋳工所 社長 及川勝比古 36 - 東西南北
第15回中国精密鋳造年会 43 - 編集後記/会員動向 48
カバーストーリー
金獅子と銀獅子
ヴェネツィア国際映画祭はカンヌ、ベルリンのそれと並ぶ世界三大映画祭の一つで、世界最古の歴史を持つ映画祭である(初回開催1932 年)。ここでの公式賞は、作品賞に与えられる「金獅子賞/Golden Llion」=最高賞、最優秀監督に与えられる「銀獅子賞/ Silver Lion」=監督賞、「男優賞、女優賞」その他がある。作品賞には金色の獅子の、また監督賞には銀色の獅子のトロフィーが贈られる。
日本映画でも多くの作品が受賞している。黒澤明「羅生門」「七人の侍」、溝口健二「西鶴一代女」「雨月物語」「山椒大夫」、稲垣浩「無法松の一生」、手塚治虫原作の「ジャングル大帝」、熊井啓「千利休・本覚坊遺文」、北野武「HANA-BI」「座頭市」。中でも溝口健二の3 年連続、北野武(ビートたけし)の金獅子賞、銀獅子賞受賞以外に観客賞を受けるなど、日本映画の評価は高い。
一方、鋳物に関する世界的なコンペティションはないが、「日本の鋳物は品質が良く納期も守られる」と世間一般の評価を耳にする。クリエイティブな映像芸術に対し、開発技術を駆使して鋳造された製品が自動車から公共鋳物や鉄瓶や芸術品に至る産業にまで供給されており、日本の産業の要になっていることに対し、賞はなくとも誇りと思うべきである。仮に賞争いがあれば、日本は金メダル争いの有力候補であることは間違いない。
(新東工業・竹内純一)